20090616

06S RECORDS | i think music

06S RECORDS以前取り上げた i think music を使って mp3 ストアを開始した。DJ AKi とコンビを組んで10年になる TAKEO 、MC の YUUKi の3人による ES9 の 12inch シングルが3枚、計6曲がダウンロード出来るようになっている。音源的には古いけれど、レコードのみ発売され、CDのリリースがなかったため、タイミング良くレコードを手に入れた人にしか手に入れられなかった事が解消されたのがなにより。DJ AKi のファンには聴き覚えのある曲が多いはず。まだ発売されてないけれど DJ AKi + TAKEO "The Way I Feel" などの新曲もリリースされて行く予定だ。またデジタルリリースだけに実験的な新たな活動も考えられるかもしれない。今後に期待したい。

20090601

SOUNDCLOUD

SOUNDCLOUD のバナーを追加しました。ここに曲をドロップしてもらえればサーバーを経由して曲のデータを受け取れます。DJ やプロデューサー達の曲の受け渡しに、あるいはミックスをプロモーション用にストリーミング/ダウンロードさせたりできて、便利なサービスだ。 twitter のようにフォローする形でネットワークが組める。まさに自分の CLOUD に SOUND を入れておける、SOUNDCLOUD とは良いネーミング。(しかもメールが来る時のタイトルは Weather Report)DJ ミックスもアップされていて、DOAの SURVIVALD-BRIDGE + SP:MC LIVE @ FWD はプロモーション用にダウンロードも出来る。データを波形で見れてミックスの途中にコメントを書き込んだり出来る。ベースのドロップの瞬間やミックスのスイッチの時に書き込まれてるのが面白い。

20090515

BLOGGER

ページの上にあった Blogger のロゴが入ったバーが取れました。嫌いではなかったけれど、気になってはいたので、検索してみたら以外と簡単な事が分かったのでやってみました。Blogger ユーザーの方はこちらのページ に詳しく出ているので参考にしてみて下さい。たった数ピクセルの幅だけど、無くなるとスッキリするし、少し広くなった感じがうれしい。

20090403

A BUNCH OF CUTS | i think music

去年 06S の7周年に dBridge が来日した時に、Markus Intalex と協力して A Bunch of Cuts という mp3 ダウンロードストアを作り始めていると教えてくれて、その後チェックするようになった。ここは所謂メインストリームの、ハードでアッパーな D'N'B とは違う、シンプルでディープなサウンドを中心に発表するレーベルがそろっていて非常に興味深い。EXIT、31、SOUL:R、SIGNATURE と、成熟した良質なレーベルが軒を連ねているこのサイトは D'N'B の新たな地平を見据えたプロデューサー達のプレゼンテーションの場でもある。彼らの作り出すトラックは確実に新しいプロデューサー達に影響を与え、静かにムーブメントを動かし始めていた。D'N'B シーンの多様化、細分化が進む中で、新しい方向性をダウンロードストアをブランディングする事で確立している。iTune store や Beatport でなく、Drum'n'Bass Arena でもない、彼らが協力して作ったこの A Bunch of Cuts に人を集め、ダウンロードしてもらう事を目指しているようだ。そこにはインターネットリテラシーの高い環境に生きるファンとアーティストの理想的な関係があるように思う。アーティスト自身が運営するお店で、直に作品を買う事が出来て、ディストリビューションのマージンや、小売店の利益も無い。アーティスト/レーベルとファンは既に MySpace や Facebook などのネットワークで繋がっているから広告費もかからない。コピーが簡単に行われる mp3 をお金を払って買う理由は、もはや、そのアーティストに対するリスペクトなしには考えられない。そう考えると実に時代と環境にフィットしたやり方だし、究極にインディペンデントで出来るデジタルレーベル運営のひとつの答えかもしれない...などと考えていた矢先、DNAudio の mp3 ストアを発見した。レーベルコンピレーションアルバム "HARD TIMES" の発売直前、試聴したくてどこかで聴けないか検索してたら、見たことのある感じのフォーマットのページにたどり着いた。その時にやっと、A Bunch of Cuts i think music のプラットフォームを借りて運営されているんだと、その仕組みに気が付いた。
インターネットの世界には当たり前のように無料のサービスがあって、誰もが何らかの形で利用し、その恩恵をうけている。メールや SNS で情報交換したり、写真や映像をアップロードして友達に見せる事が出来たり、ファイルを共有するためにサーバーも使える。無料で使う事が出来るサービスには、その一連の動きの中に広告やアフィリエイトがあって成立してるのは分かるのだけど、この i think music のサービスには驚いた。最初に 2000 のストアが出来るまでは登録にもお金がかからない。( 2000を過ぎてもマージンの一部を先に払い込むだけで一定以上のダウンロードが成されれば無料となる )ダウンロードでお金が動いた時にのみ 5% のマージンを払うだけ。彼らにとっては 1 曲が 1000 ダウンロードされようが、1000曲 が 1 ダウンロードづつされようが同じ事なのだからいろんなアーティストがスタートラインに立つ事が出来る。そんな条件が D'N'B のシーンにフィットしたのか C.I.A.INNERGROUND など多くのレーベルがストアを立ち上げ、日本を代表するプロデューサーである MAKOTO のレーベル HE も始まっている。MySpace、Facebook、twitter、YouTube、Picasa、Gmail、Bloger などをすでに使っているけど、この i think music のサービスを使って 06S RECORDS DIGITAL を作りファンとの直接のやり取りを出来たら良いなと思ってる。


06s の 7 周年に参加してくれた MAKOTO から dBridge へ変わる瞬間。SP:MC がナビゲート。
dBridge の一曲目は SURVIVAL の "Walk on by" Exit Records から13曲入りのフルアルバムがリリースされる予定で、その内容も素晴らしい!

20090311

INTO THE WILD | Sean Penn

最近あまり映画館に行く時間がとれてないのだけど、2008 年に見た映画の中で、このショーン・ペン監督作品の "INTO THE WILD" は別格だった。この映画が描いているのは 1992 年で、主人公は大学を卒業した 22 歳、つまり 1970 年生まれ、自分と同い年の青年の話なのも、特別な気持ちにさせられた要因のひとつかもしれない。ストーリーは、これから見る人にとって先入観を植え付けてしまうだろうから語らないないでおくけれど、誰もが心の奥底に持っているであろう自由への憧れと真の自由に出会えた時の孤独が、大自然の美しさと厳しさの中で瑞々しく描かれている。家族との確執や出会った人達との絆や友情、そして恋愛。それらの要素は映画の中心になり得るはずなのに、なんだかさらっと過ぎ去った記憶として描かれている。この映画ではもっと大きなテーマを捉えたいのだろう、決して過剰にドラマティックに演出する事は無い。'91 年のショーン・ペンの最初の監督作品 "THE INDIAN RUNNER" を観たときも同じように感じたのを思い出した。映画監督としての一貫した姿勢には、信頼感を感じる。

1992 年、 22 歳のころの自分、その時代を思い出すきっかけにもなった。お金はないけど時間だけはあったから新宿や池袋の小さい映画館に行っては安い値段で 2 本、3 本と見れる映画館に足繁く通っては、年間 50 本以上の映画を劇場で見ていた。映画館という暗闇の中で光と音によって表現される世界に身を委ねる行為そのものに魅せられていたのかもしれない。だから娯楽大作よりは作家性の高い監督の特集上映に足を運ぶ機会が多く、'60 年代のヌーヴェルヴァーグの作家達や、'70 年代のアメリカンニューシネマの作品、その流れをロードムービーで表現したヴィム・ヴェンダースやジム・ジャームッシュなどの映画に刺激を受けていた。中でもクリント・イーストウッドの存在は特別で大作映画に出演しながらも、自ら監督する作品は所謂ハリウッド的な娯楽作品とは違う主張をもって作品を発表していた。それはショーン・ペン監督のデビュー作からも感じられる、共通する感覚だった。

当時、巨大なビジネスになっていた音楽産業に対して、アンチテーゼを掲げるべくカテゴライズされていたオルタネイティブ・ロックと呼ばれていたジャンルがあった。(そのカテゴライズ自体もビジネス的だったのだけれど)NIRVANA がその代表的なバンドで、プールの中で裸の幼児が紙幣で釣られる(溺れる?)写真で表現された"NEVERMIND" のジャケットは痛烈な社会批判のメッセージだった。 "INTO THE WILD" の主人公の行動は、そんな時代に静かでストイックな方法で抵抗を示したように思う。映画を見終わって新宿の町に出た時に感じた違和感のような得体の知れない感覚、その大きさにしばし目眩がした。たった一度、見ただけで強いインパクトを与えてくれたこの作品、いつか DVD でもう一度、観る時が来るように思う。

20090310

DVJ AKi | AUDIOVISUAL SHOWCASE

2009 年 3 月 7 日、渋谷のクラブ WOMB で行われたイベント 06S。テクノロジーによって新たな表現の可能性を感じさせた瞬間だった。日本の DRUM'N'BASS シーンを牽引する 06S のレジデントDJ、DJ AKi 、この日は DVD の映像と音をミックスする DVJ AKi として特設ブースに立った。

使用する機材は PIONEERDVJ 1000SVM 1000、それだけで映像と音 = AudioVisual をまるでマジシャンのように一人で操る。そのパフォーマンスはオーディエンスを熱狂させ、DJ や VJ 達を唸らせた。ライブの最後は WOMB の歴史の中でも最高レベルの盛り上がりを見せた。ほとんどの人が視覚と聴覚をジャックされ体感レベルで満足していたようだ。それと同時に、その場に立ち会えた人の中でいったい何人が彼のプレイを理解出来たのだろう?とも思い、記憶に鮮明なうちに解説しておくことにした。

イントロの 4 分間は、DJ AKi + TAKEO の新曲 "The Way I Feel" から。ドンッというキックの音にピカッと白く光る映像をつけ、チッというハットの音にはリング状に赤く光る映像をつけ、"The Way I Feel" の声にあわせて白いタイポグラフィを動かす映像をつける。その 3 枚の DVD をいつもより低いステージで、オーディエンスの目の前でライブミックスする。ミキサーの SVM 1000 は音と映像に同時にエフェクトをかける事が可能で、音がエコーするように映像もエコーし、ディレイをかければ映像にもディレイがかかる。3 バンドある EQ のつまみをひねれば音も色も同時に変わる。それらの機能を使いこなし即興で組むようにライブ(=リアルタイム)で表現。イメージとしてはロケットが打ち上げられるようなロケットダッシュ。ディレイのかかった声が空間にフェイドアウトして宇宙空間の映像に突入。そこで ES9 AudioVisual Live のタイトルが出る、ES9 は DJ AKi とプロデューサーの TAKEOYUUKi MC (今回はDVDで出演) の3人のチームだ。ここからは ES9 の "All About Change"から"Free Your Mind"にいって"Heavenly Star" ES9 Remix に流れていく。"All About Change" はパーツごとに分けられた4枚の DVD をミックス。各パーツを抜き差ししながら構成していく。他の 2 曲は所謂 PV のような作品をミックスしているが、途中に、シャキーンッという音とともにタイポグラフィ映像に切れ目が入るような SE の DVD と、YUUKi MC の DVD をミックス。その間も EQ で色を調整したり、エフェクターをかけたりと、映像と音のミックスでオーディエンスを盛り上げていく。パフォーマンスに対する理解度の高い、低い、は関係なしに、熱狂と賞賛の拍手を浴びたのだから DVJ AKi のチャレンジは成功だったといっていいだろう。さらに、その場にいたクリエーター達はダンスミュージックの未来と AudioVisual の可能性を感じられたに違いない。

DVJ AKi は 今回一人で映像と音楽を操ったが、彼のポジションは F1 で例えるならハンドルを握るドライバーであって、ピットには信頼の出来るクルーがいる。曲を作る ES9 の TAKEOYUUKi、そして映像は 06S に参加してきた VJ陣の、NUMAN、YU MARUNO(Glamoove) 、CHA2、EYE LINK。彼らとの出会いが無ければ映像制作どころか AudioVisual のセットを作るという考えにすら及ばなかったはずだ。機材は PIONEER の全面バックアップ、DJ AKi も開発段階からモニタリングし協力している。マーケットが全く見えない所での開発(=開拓)はリスペクトに値するし、新しい機材が新しい表現を可能にして来たことは歴史を見てもあきらかだ。




*デジカメのスペックの限界なのか徐々に音声がズレてしまっている



イベントのラスト、アンコールで ES9 + CW "Where I Wanna Be" の DVD をかけた。参加してくれた Cleveland Watkiss もテクノロジーや映像表現に理解が高く、快く制作に参加してくれた一人だ。そしてイベントに集まってくれるオーディエンスとの感覚の共有とあたたかいサポートがあってこそ、シーンに未来があると言えるだろう。 Keep on Dancing, Keep on Bouncing!!

20090307

NIKEiD | REALCiTY


Animation : Koji Morimoto STUDIO 4℃
Sound Design : Takeo Yatabe ES9

Just watch it!

20090212

dBridge | The Gemini Principle

初めてのレヴューを書くにあたって、迷う事なくこの The Gemini Principle を選ぼうと思う。個人的には 2008 年の ベストアルバム。今となっては元 BAD COMPANY の肩書きも必要がないほど、ソロ・プロデューサーとしてのキャリアを積み重ねて来た dBridge 待望の 1st アルバムなのだから間違いようがない。

dBridge というミュージシャンについて、知っている範囲で紹介をしておこう。’90 年代中盤、UK の DRUM'N'BASS (以下D'N'B)シーンの中心で、サイバーかつハードなサウンドを打ち出し数々のアンセムを放った伝説のスーパーグループ BAD COMPANY (以下 BC )のメンバーであった事には触れたが、その4人のメンバーの中でも、曲作りにおいて重要なポジションを担っていたであろう事は、後のソロ作品のクオリティの高さが証明してくれる事になる。BC 結成以前は MALDINI とFUTURE FORCES というユニットを組んで活動をしていた。あまりに革新的なサウンドを構築したため、リリースするレーベルが見当たらず、彼らをデビューさせるべく作られたレーベルが RENEGADE HARDWARE だというのは有名な話だ。その FUTURE FORCES に FRESH & VEGAS として活動していた二人が加わって BC が結成され、"Inside the Machine""Digital Nation" と立て続けに時代を前に押し進めるような作品を発表。先鋭的でありながらダンスフロアをロックするチューンの数々が、D'N'B シーンの一つの時代を作ったと言っても過言ではない。BC の最後のアルバム、"Shot Down on Safari" を制作する頃には FRESH の才能が完全に開花し、プロジェクトリーダーとして BC を引っ張っていた。この頃 dBridge は実兄である Steve とのプロジェクト Spacek に参加し、アルバム"Vintage Hi-Tech" の制作や JAZZ CAFE でのライブに参加していて、BC のアルバムには 一曲しかクレジットされていない。BC は正式に解散したのではないが、プロデュース面において中心になっていた FRESH が FRESH BC というソロ名義の作品や、他のプロデューサー達との共作を様々なレーベルからリリースし、その頃から FRESH と他の3人のメンバーとの間に距離が出来て行く。そんなチーム不和の空気の中、BC のメンバーの一人、 VEGAS dBridge の共作 " True Romance " が GOLDIE の老舗レーベル METALHEADZ からリリースされた。この曲は 5年以上経った今でも ANDY CDJ HYPEDJ FRICTION はもちろん、メロディアスでリキッドよりの選曲を好む FABIODJ MARKY にもプレイされ続ける、まさにクラッシックとなった。丁度その頃に D'N'B 日本代表 として DJ AKi が海外からブッキングされ始める。 BRYAN G の主宰するパーティ、Movement に参加するためにロンドンに行った DJ AKi に同行した際、幸運にも BC のスタジオを訪れる機会に恵まれたのだが、2003 年の 10 月の時点で BC は MALDINI & VEGASdBridge の3人になっていて、 FRESH が スタジオに顔を出す事は無かった。この時すでに dBridge は自らの音楽の方向性の変化を示唆する発言をしている。曰く、 LTJ BUKEM の曲の中でもシンプルでメロディの抑えめな曲や MARCUS INTALEX がソロになって作るようになったダビーでミニマルな曲に未来を感じている、と。同時に、実兄の Steve とのプロジェクト Spacek に参加した事もその後の作品に大きく影響を与えたようだ。15歳の頃、兄の影響で音楽を始めたと、常にインスピレーションを与えてくれる存在で、プロジェクトを一緒にする事の意味は、とても大きいと、語っていた。この流れが dBridgeMALDINI & VEGAS の間にも距離を作ってしまい、ロンドンからブリストルに移住すると、自らのレーベルを立ち上げ、以後 BC の作品に参加する事はなかった。

自らのレーベル、 EXIT RECORDS からリリースされたトラックのスタイルは、音数が減って、シンプルだけど大きな空間を表現し始める。丁寧に配置されたソリッドなドラムと、彼の体躯のように太く丸いベースを基本に構成されているが、時にそのベースはうねりをあげ、ストリングスや SE が空間を飛び交う。BC 時代のトラックとは明らかに違う、新しいアプローチを D'N'B シーンに示した。そんな dBridge の周りには、共鳴するようにプロデューサー達が集まってくる。EXITVS. というシリーズでは、CARIBRECOMMIX、CONCORD DOWN、D-KAY、A.I.FIERCE などと積極的なコラボレーションを行うことで完全に新しい方向性とスタイルを確立していった。さらに実兄 Steve との新しいプロジェクト、BLACK POCKET でもその手腕を発揮する。CARIBRE dBridge のトラックと Steve Spacek のヴォーカルのコンビネーションは D'N'B シーンの成熟を感じさせると同時に、 BBC RADIO ONE のMary Anne Hobbs の番組にも取り上げられるなど、シーンの外からの注目も集めた。
その一方で、新しくロンドンに INSTRA:MENTAL というユニットと共同でスタジオを構築する。INSTRA:MENTAL の持つ未来的で実験的なサウンドは dBridge にも新たな刺激を与えていて、お互いに良い影響を与えあっているようだ。去年来日した際、共演した SP:MC dBridgeINSTRA:MENTAL を、まるで新しいグループを結成したかのように一緒に曲を作っている、と語っていた。

ここまでの彼のキャリアは 15 年を超えていて、様々な楽曲やプロジェクトに参加しており、ソロアルバムは、もっと早い段階で出いてもおかしくなかったけれど( FRESH BC の "Escape from Planet Monday" は '05年)じっくりとシーンの成熟 (=現実)、と自分の描きたい音楽 (=理想) の差を時間をかけて埋めてきたようにも思える。'03年の時点で話してくれた事が予言であったかのように、彼のすぐ横には MARCUS INTALEXCARIBRE などの実力派のベテランがいて、 GOLDIEFABIOSHY FXBRYAN G などの大御所たちにも信頼され、COMMIXINSTRA:MENTAL などの若いプロデューサー達に大きな影響を与えるポジションにいて、そこには確実に BC 時代とは違う dBridge という一人のミュージシャンの存在が確立している。だからこそ、待望の 1st アルバムと言い切れるし、音楽そのものの内容に関して、細かい事は何も言うべき事はない。ただリリースの形態や収録曲について、特筆すべき点だけいくつか補足するべきだろう。

"The Gemini Principle" というシリーズは、最初にアナログ盤で 12inch EP の"The Gemini Principle I" "The Gemini Principle II" の 2 枚、計 4 曲が発表された。この 4 曲はアルバムに収録されていないので、先行シングルカットという訳ではなく、フロアでかけるための EP であり、アルバムへの期待感を盛り上げてくれるものでもあった。次にアナログ盤の LP が 4 枚組のカラーヴァイナル(とはいってもブラックとホワイトが 2 枚ずつ)で計 8 曲、発表された。
ただし、その内の2曲 "A Long Distance" "On My Mind" は CD には収録されていない。そして13曲入りの CD のアルバムがリリース、2 曲のインタールードを含む 7 曲が新たに発表され、CD一枚を通して聴けるように流れが出来ている。最後にダウンロードで発売されるのだが、Beatport でも iTune store なく MARCUS INTALEXCARIBRE などと共同で運営するA Bunch of Cuts の方でのみ販売されている。ダウンロード全盛の時代のリリースのあり方を良く考えた結果なのだろう。最終的にはプロジェクト全体で 19 曲リリースした事になるが、リリース形態が決定する前の段階ではもう1 曲あった。未発表になったのは "Late 08" という曲で SOUNDCLOUD のページでフリーダウンロードをさせてくれているので DJ やマニアの方はコンプリートしてみてはどうか。また CD にインタールードとして収録された"Desire Line"は本来 "Almost Home" になる予定だったのにロンドンの地下鉄の音声を使う許可が下りずに収録出来なかったと書いている。
CD とアルバムダウンロードの13 曲、(+6曲)収録されたトラックのほとんどが彼自身によるプロダクションで、ゲストとして参加しているのは、スタジオメイトである INSTRA:MENTALEXITVS. シリーズ以降コンスタントに共作している CARIBRE の 2 組だけ。そういった意味でもかなり純度の高い、 dBridge のこれまでの音楽的なキャリアが凝縮された一つのサウンドトラックとして、鑑賞するのが正しそうだ。それは、まるで映像のない映画を見てるようで、聴覚で情景を眺めるような、そこにはロンドンの曇った空と、男の哀愁を感じさせる、今まで感じた事のない世界観が DRUM'N'BASS によって表現されている。兄の Steve Spacek がヴォーカルで参加するのでは、と予想していたのだが、 dBridge 自らが歌う、とういうかたちで影響が現れた。これは自然な流れかもしれない。歌詞、メロディ、声、トラックと全てを一人で仕上げる事の出来るミュージシャンとして、新たな次元に踏み込んだのだと思う。(Dat Music II に収録された "On Your Mind" や、これからリリースされる "Wonder Where" という曲でも歌っているのだが、どちらも素晴らしい)

最後にアートワークについて。上の写真はまるで日本盤のようだけど UK からの輸入盤だ。来日すると渋谷のレコード店を何件も一人で歩き回るほどだから、日本の CD についている帯のデザインを気に入ったのかも知れない。レーベルのロゴも"出口"という漢字が使われていて、彼の親日ぶりが伺える。アナログ盤のアルバムのアートワークもシンプルで、イラストレーションを面白く使った、よく考えられた仕上がりになっている。アナログは残念ながら完売していると思うが、もしも見かける機会があったら手に取ってみて欲しいし、CD でもダウンロードでも彼の考えと音楽が共にそこにある事には変わりない。

20090211

Amazon Associates Program

Amazon のアソシエイツ・プログラムに登録してみた。実弟の書いている Blog logged reviews を参考に色々と真似をしてみているところなんだけど仕組みを知って更に興味が湧いた。さっそくアフィリエイトについて体験しながら学んでみようと思う。お金が目的ではないけれど、もしも自分が紹介したものが売れて、売った人も買った人も喜んでもらえるなら嬉しい。

20090210

Google AdSense

Google AdSense に登録してみた。WOMB ADVENTURE '08 のプロモーション・プランを考えた時に AdWords を設定して興味を持っていたから。どんな Words からどんな広告がピックアップされて出てくるのか? 関連性のある良い情報に巡り会えたり、笑ってしまうような広告が出て来たり。

追記
2009 年の 2 月の成績を公開してみよう。まだ Blog を作ってる途中で告知を全くしてないけど、ごく近しい人がみてくれた数が 76 。そのうち 2 人が Google の Ad をクリックしてくれた、その率が 2.63% 。これで US $0.54 の収益、このペースで行くと 1000 カウント行ったときには US $7.06 の収益が見込めますよっていうのが eCPM らしい。CTR はクリック率。知り合いに告知してカウントそのものを増やす、CTR を上げる為に広告のフォーマットを変えてみる。この二つを実行してみよう。ちなみにかなり遠い道のりだけど$100 貯まると支払ってくれるらしい。お金そのものより実際に受け取る経験をしてみたい。

2009 02 2/76 CTR 2.63% eCPM US $7.06 US $0.54

20090204

9B + Blog = 9Blog

2001 年 1 月、9B (キュービー)という名のデザインオフィスを旗揚げし、今年 2009 年は 9 年目を迎える。Web の事を学ぶためにも Blog を始めてみようと思う。デザインは可能な限りシンプルに。文章は出来るだけストレートに分かりやすく、でもマナーはわきまえて。ルールはそれだけ。好きな時に、好きな事を、取り上げていくつもり。